くまもとライフコンサルラボ

食育博士の頑張らないヘルシーライフ

子どもの好き嫌い解消法 嫌いが好きになる科学的方法1

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一生懸命料理したのに、子どもが好き嫌いが多くて食べてくれない。

子どもの嫌いなものを省いてるから、いつも同じ食材ばかり使っている。

偏食が多くて、学校給食が食べられるか心配。

昨日までは食べてたのに、今日いきなり「嫌い」と食べなくなる。なぜ?

 

こんな、お子さんの「好き嫌い」問題を抱えているご家庭は多いのではないでしょうか。

今日は、こんな「好き嫌い」の原因を探り、解消していく方法をご紹介していきます。

好き嫌いはなぜ起こる?

そもそも、子どもはなぜ好き嫌いをするのでしょうか?

わがままだから?我慢が足りないから?

いいえ、実は、幼児の好き嫌いは"成長している証"なのです。

ここで、子どもたちの味覚がどんなふうに育つかみていきます。

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味覚の発達

まず、離乳食が始まる生後5か月から1歳くらいまでは、色々な味を受け入れる「味覚の黄金期」と言われています。

この時期に、味の安全性を確かめたり、味の記憶が楽しい思い出と結びついたり、逆に、嫌な記憶と結びついたりして蓄積されていきます。

その後、2歳を過ぎると、好き、嫌いの感覚がはっきりしてきて、食べ物に対して拒絶が始まります。いわゆる「魔のいやいや期」ですね。

その後、4,5歳の偏食のピークを経て少しずつ受け入れられる品目が増えていきます。

なので、2~5歳くらいの幼児に好き嫌いがあるのはあたりまえです。

好き嫌いがある子は、苦い、酸っぱいのを感じ取れる"感性の豊かな子”であるともいえます。

嫌いな食べ物があってもいい、でもいつかは好きになるかもしれないと思いながら、食材を出し続けることが大事です。子どもが好きな食材、食べられる食材のみを選んで出していたら、味覚は成長していきません。

嫌いな食べ物があってもいい。「これは嫌いだけど、いつかは好きになるかもしれない」と思いながら少しずつ試してみましょう!

 

しかし、もう一つ、好き嫌いが増加してしまう非常にやっかいな要因があります。

味の濃いものをあげ続けると好き嫌いが増す?

それは、小さい頃から味の濃いものをあげ続けることです。

実は、味覚は自然に成長するものではありません。繰り返し食材の味を経験することにより身についていきます。

例えば、小さい子どもは甘いもの、塩辛いもの、だしなどのうまみはおいしいと感じるけど、苦いもの、すっぱいものをおいしいと思うことができません。

しかし、様々な味を繰り返し体験することで、成長した時、苦いもの(コーヒーなど)や、すっぱいものさらにはえぐみも(ワインなど)おいしいと受け入れることができるようになります。この素材の味の情報を蓄積し、色々な味を受け入れられるようにするためにも、乳幼児の食事は薄味である必要があります。

5ヶ月くらいの離乳食期から3歳くらいまで、子どもたちは"素材の味"を学習して、味覚を発達させて行きます。

この、素材の味を学習する時期に、大人と同じ味の濃い食事、例えば、ファストフードのポテトやスナック菓子、カップラーメンや、コンビニ弁当などの加工食品や、甘ーい清涼飲料水を日常的に食べていると、味覚が育たないどころか、味が感じられなくなる危険性もあります。

実際、今、子ども達の味覚形成に大きな問題が出てきています。小学1年生から中学3年生までの349人を対象に「塩味」「甘み」「苦み」「酸味」の基本となる4つの味覚を認識できるかどうか、東京医科歯科大学の研究グループが調査を行いました。その結果、塩味と苦味の区別ができない、酸味がわからないなど、いずれかの味覚が認識できなかった子どもが3人に1人いたというのです。味覚を感じることが出来なかった子どもは、加工食品などの味の濃いものや、人工甘味料を使った飲み物などを頻繁に口にしていたそうです。

このように、甘みや塩味の濃い味を食べ続けていると、舌の感覚が鈍ってきます。すると、様々な味を受け入れるための味覚が発達できなくなってしまうのです。

その他、子供が好む限られた種類の食べ物ばかりを与えること、さらに親とは違う食べ物を与える続けることも、味覚の形成を妨げ、その結果、成長しても食べられないものが多いままになってしまいます。

【味覚の発達を阻害する食生活】

・低年齢時期から濃い味を与える

・子どもが好む限られた種類の食べ物ばかりを与える

・親とは違う食べ物を与える

    ↓

味覚が複雑にならない

    ↓

食べられないものが多いまま  

「最初はものたりないけど、おいしく感じる味」のほうが、味覚は鋭敏になるのですね。

大人と子どもの適切な塩分濃度の違いは?

では、適切な味の濃さはどのくらいなのでしょう?

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大人と子どもの適切な塩分濃度の違い

多くの大人が最もおいしいと感じる塩分濃度は0.9%くらい。幼児期はそれよりかなり薄い0.6%、離乳食期は大人の半分の塩分濃度になります。一方外食は1.2%くらいなので、子どもが食べる場合は氷などで薄めてあげたいです。

外食・弁当の1食分の塩分目安量

次に、市販のお弁当や外食の塩分量を見てみます。

3~5歳の幼児の1日の食塩摂取目標量(これ以内におさめたほうがいい量)は4~4.5ℊです。そのため、1食当たり、1.5ℊ以内に収めたほうがよさそうです。

一方、大人用のしゃけ弁当には3.5g、コーンスープには1.1gの塩分が入っています。スープでこれだけ塩分を取ってしまうと、後はおかずで0.4gしか塩分を取れないことになります。

お子様用のカレーには1.7g、お弁当には2.4gと、子供用でも1.5gを大きくオーバーするものが多く見られます。子ども達が大好きなハンバーガーも、1個食べると塩分オーバーです。私が今回びっくりしたのは、豚汁です。野菜補給のためによく利用するのですが、1食で3gも塩分がとれます。これに牛丼やおにぎりをつけて食べるので、大人でも1食で1日の半分以上の塩分を取ってしまうことになります。

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ということで、子どもの好き嫌いを改善する方法の1つめは、

乳幼児期から濃い味を与えない!でした。

 

次回は、嫌いになってしまった食べ物も好きになれる?方法をご紹介します!

初のシリーズもの(笑)

ぜひ次回もお付き合いください!

 

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